RubyのTime#strftimeを覚える(これっきりにしたい)
RubyのTime#strftimeのディレクティブは対称性があるように見えて、そうでもない例外があって覚えづらい。
%a - The abbreviated weekday name (``Sun'') %A - The full weekday name (``Sunday'') %b - The abbreviated month name (``Jan'') %B - The full month name (``January'') %c - The preferred local date and time representation %C - Century (20 in 2009) %d - Day of the month (01..31) %D - Date (%m/%d/%y) %e - Day of the month, blank-padded ( 1..31) %F - Equivalent to %Y-%m-%d (the ISO 8601 date format) %h - Equivalent to %b %H - Hour of the day, 24-hour clock (00..23) %I - Hour of the day, 12-hour clock (01..12) %j - Day of the year (001..366) %k - hour, 24-hour clock, blank-padded ( 0..23) %l - hour, 12-hour clock, blank-padded ( 0..12) %L - Millisecond of the second (000..999) %m - Month of the year (01..12) %M - Minute of the hour (00..59) %n - Newline (\n) %N - Fractional seconds digits, default is 9 digits (nanosecond) %3N millisecond (3 digits) %6N microsecond (6 digits) %9N nanosecond (9 digits) %p - Meridian indicator (``AM'' or ``PM'') %P - Meridian indicator (``am'' or ``pm'') %r - time, 12-hour (same as %I:%M:%S %p) %R - time, 24-hour (%H:%M) %s - Number of seconds since 1970-01-01 00:00:00 UTC. %S - Second of the minute (00..60) %t - Tab character (\t) %T - time, 24-hour (%H:%M:%S) %u - Day of the week as a decimal, Monday being 1. (1..7) %U - Week number of the current year, starting with the first Sunday as the first day of the first week (00..53) %v - VMS date (%e-%b-%Y) %V - Week number of year according to ISO 8601 (01..53) %W - Week number of the current year, starting with the first Monday as the first day of the first week (00..53) %w - Day of the week (Sunday is 0, 0..6) %x - Preferred representation for the date alone, no time %X - Preferred representation for the time alone, no date %y - Year without a century (00..99) %Y - Year with century %z - Time zone as hour offset from UTC (e.g. +0900) %Z - Time zone name %% - Literal ``%'' character
これらをちょっと整理してみた。まず、
> t = Time.now > t #=> 2011-02-27 15:25:06 0900
とする。まず、一番最初に覚えるべきは、
%m/%d/%y %w 02/27/11 0
というところ。小文字で「m、d、y」はそれぞれ2桁の月、日、年に相当する。wは0..6で曜日を示していて、もちろんカウントは日曜日スタート。
じゃあm、d、yを大文字にしたらどうかというと、Yが4桁表記になるだけで、DやMはまったく別の意味なので要注意。strftimeで全般的に言える法則性として、大文字のディレクティブは、桁数が多かったり、省略形でない形式(SunではなくSundayのように)を示しているというのがある。なので、yが11でYが2011となる。じゃあmとMの関係はどう考えるのっていうことだけど、それは次の重要な表記を覚えれば何がstrftimeの対称性を壊したのかが理解できる。
%H:%M:%S (%p) 15:25:06 (PM)
大文字で「H、M、S」はそれぞれ2桁の時間(24時間表記)、分、秒となる。覚えやすい。pは意味が分からない。pmのpと覚えるしかない。え、なんでamのaじゃないのってことだけど、それは「aは曜日の名前」で使われてしまっていたからじゃないかと推測。pの大文字のPは「pm」と小文字で出力する。この対称性のなさは、もう意味がわからんけど、先ほどの大文字の法則に「より正しい表記が大文字」というのを加えると、そういえば、am/pmの英語的に正しい表記はA.M./P.M.か、もしくはAM/PMだから一応つじつまが合う。と、思ったら逆だった。ああ、ややこしい。
さて、ここでmとMでは、monthとminuteで衝突が起こっている。英語の日付の語彙は、もともと対称性を保ちづらいので、こういうことになっているのだと思う。Yとyは同じものを指しているのに、m/M、d/Dは全然別のもの。
mは月で、Mは分だった。じゃあ残るDは何かと言うと、これはDateの略。
> t.strftime("%D") #=> "02/27/11" > t.strftime("%m/%d/%y") #=> "02/27/11"
という感じで、Dateというのは%m/%d/%yの略記と考えられる。日本人としては、どうして年号が最後に来てるんだとムッとするけど、一番用いられる標準的な年月日の表記としては%Dを使えということなんだろう。
%Dと対になっているのが、%T、Timeだ。
> t.strftime("%T") #=> "15:25:06" > t.strftime("%H:%M:%S") #=> "15:25:06" > t.strftime("%t") #=> "\t"
つまり、Timeは時刻の標準表記で、%H:%M:%Sの別名というわけだ。小文字のtはタブ。まあ文字列フォーマッターだからタブぐらいないと困るし、タブはt以外に割り付けようがない。で、時刻に関係する文字「HMST」と対応する小文字のうち、tとm(minute)はすでに対称性が破れているわけだけど、hとsが何かと言うと、hはなんとbのエイリアスで月名の略称(Jan、Febなど)だ。意味がわからん。sのほうは秒に関係しているけど後述。いずれにしても、最も重要な、y/m/d、H:M:Sに関して、Y以外には対称性なんてないのだということを認識するのが大切。そういえば、時刻のHに関係したものに、Hの12時間表記ともいえるIがある。
> t.strftime("%H:%M:%S") #=> "15:25:06" > t.strftime("%I:%M:%S") #=> "03:25:06"
これはかなり苦しくて、本当だったら、hが03でHが15になるべきだ。こんなモノを覚えろというのは「たのしいRuby」なんかじゃないと思うし、実際覚える必要はないかもしれないけど、覚えてしまったって誰が困るわけでもないし、実は良いことなのだ。HとIは対になっている。ついでにYとCも、ある種の対になっている。%CはCenturyで2桁の数字を返す。
> t.strftime("%c") #=> "Sun Feb 27 15:25:06 2011" > t.strftime("%C") #=> "20"
えっ、20世紀!? 助けてドラえもん! Centuryなのに、Yの上位2桁を返してるわけ? 日常用語の世紀とは関係ないってことか。きついな。
なぜrなのか分からないけど、r/Rは秒を抜かした時刻(%T:Time)の別名だ。
> t.strftime("%R") #=> "15:25" > t.strftime("%H:%M") #=> "15:25" > t.strftime("%r") #=> "03:25:06 PM" > t.strftime("%H:%M:%S %p") #=> "15:25:06 PM"
次によく使いそうなのは、a/A、b/Bだ。
> t.strftime("%a - %A") #=> "Sun - Sunday" > t.strftime("%b - %B") #=> "Feb - February"
「大文字が正式」「小文字は略記」という法則が成り立っている。この2つがどこから来たのかよく分からない。Unixのdateコマンドだろうと思う。BSD由来のMacのdateコマンドを叩いたら、
% date "+%a %A %b %B" 日 日曜日 2 2月 % LANG=C date "+%a %A %b %B" Sun Sunday Feb February
となった。なるほど……。どうも意味が分からないディレクティブの類はUnix由来らしい。dateコマンドは%x、%Xは、それぞれロケールを意識した日付、時刻を出力する。Rubyも似ているけど、Rubyってロケールどうなってるんだ?
% date "+%x" 2011/02/27 % LANG=C date "+%x" 02/27/11 % date "+%X" 16時15分19秒 % LANG=C date "+%X" 16:15:15
このほかにTime#strftimeで比較的大事そうなのは、ある日時からの経過時間や経過日数、経過週などに使えるやつ。
- %s:エポック時(1970/1/1 00:00:00 UTC)からの経過秒
- %j:1月1日から経過日数
- %W:年初からの週数(ただし、起点を月曜とするか日曜とするか、ISO8601に従うかで、%U、%Vなどバリエーションあり)
sは秒だからいいし、jもフランス語とかだとjourがdayだと覚えればよさげ。もう後は知らん。このぐらい覚えれば十分だろう。
以上の関係を図にすると、以下のようになる。
ちょっとスッキリした。